とあるベンチャーの考察ドロイド

独立生態系ベンチャー新卒1期生、'09入社のハチロク。スタートアップとかマネジメントとかECとか広告とかとりとめのない日常とかについて書いていくよ。

キャリア選択において押さえておきたい3つの変数

前回に引き続き、ファーストキャリアの選択において私見を述べていきたいと思います。

 

今回は、ファーストキャリアにおいて企業を見定める場合、どのような要素が変数となり得るか、について考察します。

 

大企業か、ベンチャーか。

そう言っても当然、大企業にもベンチャーにも色々とあるわけで、変数をすべて網羅しようとあげつらうとキリが無いのですが、ここでは先述したベットする上で押さえておきたい変数について、いくつかピックアップしてみたいと思います。

 

 

売上・利益は従業員一人当たりで見てみる

 

 これについては「数字は噛み砕いて見る習慣をつけよう」というテーマで一つ記事を書いてみたいなぁとも思っています。一人当たりの生産性を推し量る目安として、実際私も就活をしていた当時これを見ていました。利益については粗利の方が分かりやすいっちゃ分かりやすいんですが、パッと出てくるのは経常って場合が多いと思うので、経常で見る形で問題無いかと。年度によっては投資期だったりする場合もあるので志望度高めかも、というところではここ3年ぐらいのトレンドも含めて押さえておくと良いでしょう。Amazon的な利益プラマイゼロ、むしろ赤字万歳!という企業も一部では存在するので、そこは売上と利益の両方のトレンドを見てみるとなんとなくその企業の動向が見えてきます。

 

就職先人気企業をいくつかピックアップして見てみると、こんな感じですね。

 

トヨタ自動車(2015年3月期 従業員数340,000人で換算)

売上272,345億円→0.80億円/名

※利益28,928億円→0.085億円/名

※連結P/Lの税金等調整前当期純利益の数字を引用

 

三越伊勢丹ホールディングス(2015年3月期 従業員数12,000名で換算)

売上12,721億円→1.06億円/名

経常345億円→0.02億円/名

 

 ・サイバーエージェント(2015年9月期 従業員数1,600名で換算)

売上2,543億円→1.58億円/名

経常323億円→0,20億円/名

 

野村総合研究所(2015年3月期 従業員数6,000名で換算)

売上4,059億円→0.67億円/名

経常529億円→0.08億円/名

 

三菱商事(2015年3月期 従業員数5,600名で換算)

売上 76,694億円→13.69億円/名

経常 5,747億円→1.02億円/名

 

一人当たりの数字にかみくだいてみると、売上の数字だけ見ているよりも、色々と想像が膨らんでくるのではないでしょうか。こういうラフな考察をすると必ず、いや厳密にはこんな数字だけで一概に何か言えるわけないやん、というツッコミが入るのですが、ばくっと物事の本質を捉えてみようとする習慣って考える葦として生きていく上で非常に重要だと思うんですよね。

 

当時私はこれを見て、大企業ってちゃんと仕組み化されているんだなぁすごいなぁと思うし、ITベンチャーとかコンサルってスマートに見えるけどなんだかんだ愚直なマンパワーが会社を支えているんだろうなぁそれもそれですごいなぁとか、そういう見方をしながら、結論としては愚直な会社をピックアップして説明会に足を運んでいました。

 

仕組み化されている側だと分業きっちりでスペシャリスト的なキャリアになりやすく、愚直な方面では極端に言えば泥臭く何でも屋さん的な仕事でサバイブ力がつくようなタフなキャリアがベースになりやすいって感じですね。

 

 

初任給は給与カーブとセットで考える

 

そこそこ利益が出ているベンチャーでよく見られるのですが、優秀な学生を引っ張ってくるために初任給を高い数字で設定するんですよね。一方で、圧倒的な成果を出さない限り給与がほぼ横ばい、というケースがありがちで、成果をちゃんと認めて欲しい!って思いを強く持って働いていると結局その欲求が満たされずマンネリ化して長続きしない、みたいな人もちらほら見られます。給与目当てでベンチャーにいくっていうのはこのマジックにまんまと引っかかってしまっているわけで、それはベットする時点で既に間違っているなぁ、と思ってしまうんですよね。住宅補助あっても家賃や物価の高いエリアに住んで実質は住宅補助がプラスされた給与の数字にがっつり税金がかかってきて、自由に使えるお金の金額があれ、意外に少ないなぁ、みたいな。待遇気にするなら大企業の方が、寮住まいできれば家賃1万、何年後にこれだけ給与が上がるというのも入社したら先輩見て分かるし、残業代もしっかりつくし手元に残るお金で見ても時給で見ても断然こっちの方がワリが良い、というのが実情だったりします。

 

もちろん断固たる志があれば給与がどうあれどのような企業に行っても良いとは思うのですが、表層だけ見てキャリア選択のベットを行うと火傷するよ、というのがこの記事の趣旨です。

 

個人的には待遇よりも職業体験を通して何が得たいかが一番重要だと考えているのですが、やっぱりやりがいって体験を通じて何を得るかと実際の待遇との掛け合わせで大小が決まる人が多いと思うので、バカにできませんよ、ってことです。

 

 

どうせベットするなら、体験上、新卒1期って美味しいですよ

 

いや、これは完全に数字どうこうではなく持論になってしまうんですけど、

ベンチャーやスタートアップに新卒で入るなら、新卒が少ない内に、新卒採用が始まって間もない企業に入った方が得がたい経験出来るよ、って話です。

 

多くの場合、中途やインターンで回していて、そろそろ新卒とるか、っていう順番で採用の潮目が変わっていっていて、新卒っていうのは日本企業ではもう大事に育てなきゃ、みたいな価値観が色濃く根付いているので、経営陣や先輩方も手探りながら本気で接しようとするわけです。手探りなのでウマが合わなければ辞めてしまう可能性は低くないかもしれないですが、その可能性を享受して余りある経験値の差が、翌年、翌々年以降の新卒達と比べて出てくるはずなんですよね。私自身、新卒1期で入って今と比べれて遥かに扱いがラフというかストイックで逆に良かったし、社長やエース社員の働きぶりが今よりも間近に見れる環境にいたし、成長速度が絶対的に違うんですよね。幹部候補に入り込める可能性も当然新卒はじめて間もないフェーズの方が高いので、バイタリティや自信のある人ほど、どうせベットするなら極端な張り方をしてみる、という選択はチャレンジングでありながら意外に手堅い一つの型だと思います。

 

まとめますと

 

・一人当たり売上/利益

・初任給×給与カーブ

・新卒採用歴

 

ただなんとなく四季報マイナビリクナビ眺めているのではなく、

この3つの変数で本質をえぐりにいこう、というテーマでお届けしてみました。

 

ラフなえぐり方なので、ツッコミどころ満載な切り口だというのは百も承知ですので、

どうぞご容赦くださいませ。

 

 

話は変わるけど

 

ついこの前、感動的なラーメンに出会いました。

AFURIの季節限定ラーメン、ヴィーガンラーメンです。ヴィーガンってよりストイックなベジタリアン的な言葉でむしろ私は肉食マンセー酒池肉林男子なんですけど、このラーメンのスープをすすった瞬間目の前にお花畑ならぬ広大な農村が広がったというか、田舎育ちの身としてはじわっと地元での思い出が浮かんできて涙が出そうになったんですよね。1,350円とちょっちお高めなんですが、田舎育ちの方にはぜひおすすめしたいイッピンでございます。

 

http://afuri.com/img/menu/zoom_photo18.jpg

afuri.com

 

 

↓前回の記事

ad-venture.hatenablog.com